13時半すぎに「本のあるところajiro」に到着。九大短歌のふたりが店番についていた。
ajiroの方が「リクエストソングを!」とおっしゃってくれたので、ひとりがビートルズを注文。一曲目は知らない歌だったけれど後に続く歌は知っているのが多かった。
ビートルズの曲を聞きながら、ふたりと話をしながら売る物の準備。相変わらず値札の書き方に迷う。もっとデザイン的にいい感じに書けたらと思うんだけどぺっぺと書いた。
ひとりが昼食をとりに外出したので、もうひとりの女の子とおしゃべり。『九大短歌』の新刊の話や、学校についての話、食事やファッションの話をした。その子は話がしやすくていろいろ質問した。
「そういえば、50首いい感じでたまったんだけどもう賞終わったよねぇ」
「角川は終わりましたね」
「んあ〜じゃあ来年かぁ」
「でも笹井賞ありますよ」
「笹井賞!」
という風にそういう情報をもらえて助かった。またがんばってみようかな笹井賞。
15時近くになると、ちらほらと来店者。なんだろうと思っていたら、今日はajiro歌会も催されるんだった。ajiroで定期的に行われる歌会。私は参加せず遠くから様子を見ていた。まず店内に置いてある本から短歌を選ぶらしい。そしてその選ばれた短歌たちについて述べ合う。みたいな流れなのかな。集った世代はさまざまで、趣味のことで世代を越えておしゃべりできていいなぁと思いながら見ていた。
ajiro歌会が開かれているその間も、ときどき雑談しながら、静かに『九大短歌』の新刊を読みながら過ごした。「今のところ閑古鳥が鳴いてるね〜」と言うと「夕方のイベントのときいっぱい来そうだからそのときでしょうね」とのこと。あ、そっか。そのときいっぱいひと来るのか。
ajiro歌会は15時から17時半すぎくらいまであっていた。
17時半頃、一旦外出して店へ戻るとひとがいっぱい来ていた。18時から始まるトークイベントを見に来たひとびとだ。短歌のひとだけではなく詩のひとも来ていた。知っている顔も知らない顔もいっぱい。
緊張してるかな?と思ったので、登壇する九大短歌の石井くんに「みんなのことをじゃがいもと思ったら大丈夫だよ」と謎アドバイスをかけてしまう。
イベントが始まるまでの間、静かに店番をする。すると久しぶりの方と出会う。『九大短歌』の新刊や私の新作『やさしい犬』を買って頂く。『やさしい犬』については表紙が全部違うとこにも触れてもらう。実は、その方のツイートで紹介されていたお店の紙を使用したんですよ〜、という話をした。あとその方は私のブログ記事も読んで頂いてるようだった。照れた。
まもなく始まりそうになったのでジンジャーエールを購入して席へ。(ajiroのジンジャーエールは瓶で出される。)「瓶はうまい!」とひとりごとのはずがちょっとでかめの声が出てしまって、それに気づいた周りの九大短歌の子が乾杯をしてくれた。ありがとう。
夏野雨さん、石松佳さん、石井大成くんによるトークイベント「福岡の詩歌シーンはどうなっているか2019」開催。
夏野さんの声がよく通っていて後ろの方まで聞こえた。そういうことにうれしくなってしまう。夏野さんのほわほわした感じが心地よかった。
石松さんは落ち着いた様子だった。夏野さんとのかけあいがおもしろくて笑わせてもらった。
石井くんも堂々とお話されていた。前代表とのエピソードや九大短歌会に対する思いとか聞けてうれしかった。
「福岡は詩と短歌が近い」というお話があって、ほんとそうだな〜と思う。詩と短歌を反復横跳びできるというか、2つの間の垣根が低いイメージ。短歌のひとと詩のひとが気軽にコミュニケーションできてるな〜と感じるし、詩も短歌も作るっていうひともいるし、うれしいことと思う。
ここで一旦休憩。詩の方が私のもとへいらっしゃって『やさしい犬』を購入して頂く。表紙がすべて違うことに感心して頂けてうれしい。
休憩が終わり朗読が始まるという声が。すると間髪入れず朗読が始まった。私はとにかくこの間髪入れず始まるのに心打たれた。夏野さんは石松さんと石井くんの顔を見ながら息を合わせるように声を出す。石松さんは英語で朗読するときも。石井くんはふたりに食らいついていくような朗読。
3人のかけあいのような朗読はすごくよかった。詩のひとが読む短歌もおもしろいし、短歌のひとが読む詩も新鮮に捉えられた。
聞いていてドキドキするような、聞いてる側も緊張するような時間。私はそのとき必死にメモをとってたんだけど、ノートのページをめくる音もはばかられるような、そんな緊張感だった。朗読は生(ナマ)だな。そう思った。一夜限りというか、その場限りだ。スピード感があって風が起こっているような空間。3人のタイミングで読み、3人のタイミングでまじりあっていく。圧倒的だった。
朗読が終わり3人のオススメ本の紹介。どれも気になったので今度見に来よう。
トークイベント終了後、みんなは店外へ。お店の前で記念撮影をしているようだ。となったら私たちも撮ろうよってことで店番チームも記念撮影。一日お疲れ様でした。
九大短歌のブースを片付け終えると、店内の片付けもお手伝い。
お店の方にお疲れ様でした〜と言って九大短歌のふたりとも別れて、二次会には参加せずまっすぐ帰る。
電車では座れるタイミングがあったので座って今日のお礼のツイートを書く。
今日は顔見知りの方々が買ってくれたな。でも知らないお客さんに作品のことうまく言えなかったな。そういうときどう言っていけばいいんだろう、とちょっと考える。
最寄駅を降りると教会らしき建物に備わる十字架が点灯していた。なんかこの十字架すごく物思いにふけさせるというか、特に思い起こすこともないんだけど目がもやもやしてくるというかセンチメンタルな気持ちに。空を見上げたらうす青い空に鋭いピンクの斜線みたいな部分があった。髪の毛をぐしゃぐしゃとして風にまかせる。帰ったらソッコーお風呂入ろうという思いで帰宅した。
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