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2019.7.19

更新日:2019年8月4日


いつもの就活終わり、なんとなく寄ったajiroで立ち読みしながら思った。

あ、久しぶりにピアノ弾きに行きたい。

月一頻度で新鳥栖駅に置いてあるピアノを弾きに行く。

どうしようか、新鳥栖に行くか、いやでも他にも駅ピアノあったな。

小城駅(おぎえき)というところにも駅ピアノがある。

ただ、どの辺にあるのか、新鳥栖より遠いのか、知らなかった。

とりあえず博多駅行きのバスに乗る。

調べると小城駅はめちゃめちゃ遠かった。

2時間近くかかり、片道1290円。わ、時間かかるしお金もかかる。

でもどこか遠くへ行きたいなと最近特に思ってたので、まっいいか、行こう。

博多駅に着いてクロワッサンを買う。4個入り。

1個食べながら電車を待つ。

まず快速で鳥栖へ向かう。

鳥栖に着いたら20分くらい次の電車が来るのを待つ。

早岐行き。

私は最初、この行き先の言葉が読めなかったが「はいき」だそう。

駅員さんに聞くと小城駅に行くには佐賀駅で乗り換えが必要そうだ。

クロワッサン1個食べながら電車を待つ。

早岐行きが来たので乗車、座れてよかった。

風景は緑豊かな感じが続く。

山がめっちゃあった。

佐賀駅に着くまで何駅か通り過ぎていったけど、それまで緑豊かが続いていた。

こういう風景をときどき見るとフレッシュな気分になる。

もうすぐ佐賀駅だ。

佐賀駅に近づいてくると途端、風景がアーバンな感じになっていく。

立ち並ぶアパートは最近ぽく、大型店舗がちらほらと見えた。

なんとなく、住むとしたら佐賀駅付近かな。

緑豊かもいいけど、刺激を受けられるところがいいかなぁ。

そんなことを考えたりした。

佐賀駅で降りて次の電車を調べる。

わ、30分も待つんだ!

図書館で借りた本持ってくればよかった~と思いつつ、スマホを見る。

最近はアニメーションスタジオの火災の話題をよく目にする。

海外のファンもすごく悲しんでいる。

国を越えて楽しんでいるひとがたくさんいること、アニメの力や魅力を知った。

と同時にふと思う。

私が死んだら私の作品は残るのだろうか、読み続けられるのだろうか。

紙かwebか、どちらが読みやすいんだろう、残りやすいんだろう。

私の作品は国を越えて伝わっていくのだろうか。

ホームのベンチでいろいろ思った。

いろいろ思ったけど結論は出ず。

さっきから止まっている電車があったので行き先を見ると、西唐津だった。

あ、これに乗るのか。

乗りなれた西鉄電車とは違う乗り心地。

天井にくっついている扇風機が回っていて、乗っているひとたちの雰囲気がなんだか違った。

向かいに座る女子高校生の太ももまでめくられたスカートにびっくりしたりした。

福岡とか佐賀とか関係ないんだろうけど、なんかちょっとひとの雰囲気の違いを感じた。

佐賀駅から小城駅までの距離は体感長く感じた。

すだれ的な遮光カーテンで閉ざされていたのであんまり見えなかったけど、車窓はさっきと同じで緑豊かな感じ。

3駅目くらいが小城駅だ。

降りる学生が多かった。

いろんな制服の学生がいた。

風景を見渡しながらゆっくり歩いた。

天神の駅に慣れているとギャップを感じる。

トトロの世界観というか、今まで見たことがない駅の様子。

草が生えまくっていた。

本当にピアノあるのかなぁと思いながら、改札へ行く。

あ、すごくいい感じの建物がある。

建物の入り口に女性の駅員さんがいらっしゃる。

その駅員さんに切符を渡して、建物内に視線を移す。

すぐピアノが目に入ってきた。

ピアノ、ほのかにオレンジの建物内、ぎっしり本が入った背の低い本棚。

ピアノのそばには学生がいて、Lemonを弾いていた。

音色が響く。

建物内によく響いていた。

こんなにきれいに響くんだ、こんなにきれいに。

澄んだ音色というのがぴったりな表現なほど、きれいだった。

私は本棚のそばに行った。

島崎藤村の本を手に取る。

Lemonを途中まで弾いて学生は去っていった。

ピアノに近づく。

椅子を引いて座る。

蓋も鍵盤もきれいだ。

腕時計を外す。鍵盤に指を置く。

あぁ、きれい。音が鳴らない鍵盤もなくきれいな音を出す。

新鳥栖のピアノとはまた違う弾き心地だった。

鍵盤の重さ、音色、響き。

ピアノ自体や置かれた場所によってこんなに違ってくるのか。

次の電車は40分後に来る。

電車が来るまで弾いていこう。

作曲したものや好きな曲を弾いた。

指が覚えてる曲弾けるだけ弾いた。

ピアノを弾いてる間は何も考えないからいい。

何かを考えることができなくなる。

ピアノの音色、メロディーを聞くことに没頭した。

30分くらい弾いた。

ふと天井の照明を見ると、丸い照明器具がやわい光を放っていた。

こんな空間があったんだ。

こんな素敵な空間、そして置いてあるピアノ。

ここのピアノを弾けてよかった。

来れてよかった。

電車が来る5分前、切符を買って待つ。

ぞくぞくと集まる学生。

私のなんとなくな旅も、もう帰る時間。

佐賀へ戻る。

鳥栖へ戻る。

そして、家へ戻る。

約6時間の旅が終わった。

小城駅まで行ったことを家族には言っていない。




お金のことは気になったけど、行ってよかった。

あの建物の雰囲気、ケアの行き届いたピアノを知られてよかった。





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