こんばんは。春夏秋冬の中では一番冬が好きな菊竹です。冬の寒さ冷たさがなんか気持ちいいんですよね。
前回の「気になる短歌」はいかがだったでしょうか。個人的には久しぶりに作ってドキドキしました。ちゃんと伝わる文章か、イラストがちゃんと描けているか…。自分の文章を見て「なにが言いたいのかわからん」と思うことがしばしばあるので、わかりやすくかつポップに書くのは難し~と思います。
さて、今回は「しみる短歌」を紹介します。
しみる短歌 1
わが胸に器があればこの雨を受けとめそして静かに割れる
石松佳
「心のコップに水がひたひたになったらあふれる」という表現がありますが、この歌は「器」とあります。(器とは入れ物という意味)この器、どんなイメージをしましたか?私はベージュ色の小皿を思いました。
「雨を受けとめるのかぁ…そして静かに割れるのかぁ…」と、初めて読んだとき放心状態になりました。下の句最後「静かに割れる」ここもうほんとンンン~!胸にきました。
「雨を受けとめ」この表現がとても良いですよね。雨を避けるのではなく受けとめている。受けとめた上で静かに割れている…。
現実でかなしいことやくるしいことがあると、心=器、そうイメージすれば気持ちがなぐさめられる気がしました。
この歌から抽象画のようなシンプルな美しさを感じました。私がもし画家だったら、この歌をイメージした絵画を描いてみたいと思いました。
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「器」という言葉が個人的に超いいな!と思います。(題詠で挑戦してみようかな)
器つながりで、森絵都さんの『風に舞いあがるビニールシート』の中に「器を探して」という作品があるのを思い出しました。不思議な読後感がある短編です。
石松さんは詩も作っている方です。詩と短歌をされている方って、なかなかいらっしゃらない気がします。詩と短歌の表現の違い、作り方の違いなどお聞きしてみたいですね~。
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以上「しみる短歌」でした。
次回は「すごい短歌」です。お楽しみに!
2019.3.20
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